〒540-0037 大阪府大阪市中央区内平野町2丁目3番14号 ライオンズビル大手前1202号
(北浜駅から徒歩10分、天満橋駅から徒歩10分)
受付時間
破産手続きをした場合、破産者の財産は換価(現金化)され、債権者に配当されます。しかし、生活に最低限必要な一定の財産については破産後も手元に残すことができます。これを「自由財産」といいます。
ここではどのようなものが自由財産にあたるのか解説していきます。
破産手続開始時点の破産者の財産のうち、破産法上当然に自由財産として認められる財産のことです。下で述べる自由財産拡張制度と対比して、特別な申立てを必要としないので「本来的」と呼ばれています。
具体的には、99万円以下の現金、差押禁止財産(法律上差押えが禁止されている財産)があります。
・99万円以下の現金
現金で持っているお金のほかに、普通預金も現金に準じて取り扱います。
ただし、実質的危機時期以降に現金・普通預金以外の財産を現金化・普通預金化した場合は、同時廃止事件と破産管財事件の振り分けの場面と異なり、原則として、現金・普通預金とは扱わず、現金・普通預金化される前の性質を有する財産とみなすことになります。
※有用の資
実質的危機以降に財産を現金化・普通預金化して有用の資に充てることは認められる場合があります。有用の資とは、申立費用や予納金、生活費、医療費、転居費用、葬儀費用、学費、公租公課などで、相当な範囲内の金額とされています。
・差押禁止財産
民事執行法等で差押えが禁止されている財産です。
たとえば、給料債権(税金等を控除した手取金額の4分の3相当部分。ただし33万円が上限)、生活保護受給権、年金受給権などがこれにあたります。
また、衣類や家具、寝具、電化製品のような生活必需品も自由財産になります。ただし、特に高額なものについては換価の対象となる可能性があります。
本来的自由財産だけでは、破産者の生活を立て直すのに不十分な場合もあります。裁判所の判断で、それ以外の財産も自由財産として認められる場合があります。これを自由財産の拡張と言います。
自由財産を拡張するためには、裁判所に申立をして許可を得る必要があります。
次のような財産が拡張の対象となります。
・預貯金・積立金
※普通預金の扱い
普通預金は、財布の延長としての社会的実態があることから現金に準じて取り扱うことになりますが、財産上の性質はあくまでも預金債権であるため、拡張の申立てをすることになります。
・保険解約返戻金
・自動車(物によります)
・敷金・保証金返還請求権(金額等によります)
・退職金債権(金額によります)
・電話加入権
上記の財産は一定の条件を備えることで拡張適格財産として認められる可能性があります。
それ以外の財産は、原則として拡張不相当となりますが、例外的に「相当性の要件」を満たす場合に限り、拡張相当となります。
自由財産の拡張が認められるかどうかは、裁判所によっても基準が異なります。
個々のケースによっても大きく判断が異なることもありますので、できる限り早く相談されることをおすすめします。
また、破産手続開始決定後に取得した財産を新得財産と言います。破産手続きで換価されるのは、破産手続開始時点で破産者が持っていた財産です。それ以降に新たに収入があっても没収されることはありません。
自由財産、新得財産など破産申立に関するご相談は実績のある中辻綜合法律事務所までご連絡ください。