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労働審判手続係属中に当事者が破産手続開始決定を受けた場合、破産管財人が労働審判事件を受継することとなります。
以下では申立人が労働者、相手方が使用者の労働審判手続中に使用者が破産手続開始決定を受けた場合を取り上げます。
(1)地位確認請求
破産管財人は労働契約の解約申入れが可能です。解雇の有効性を主張して争うこともできますが、未払い賃金等の発生を防止する観点から速やかに民法631条により解約の意思表示をすることが考えられます。
労働者も破産管財人に対し雇用契約の解約申入れをするか否かについて確答すべき旨の催告をすることができ、期限内に確答がなければ解約申入れしたものとみなされることになります。
(2)金銭請求について
不法行為に基づく損害賠償請求権、給料や退職金債権のうち財団債権にならない部分などの破産債権部分は、破産手続きにおける債権確定手続きを待つことになります。
破産管財人は財団債権や優先的破産債権の弁済による対応をすることもできますが、これらの弁済のための調査に相応の期間を要することが予想されます。そのため通常は簡易迅速な紛争解決という労働審判手続きの趣旨に沿わない事態になり、申立人に取下げ勧告がなされ、申立人が応じない場合は訴訟手続きに移行することが考えられます。
賃金等の支払いについて、破産管財人は労働審判手続で対応するよりも、労働者の協力を得て独立行政法人労働者健康安全機構による未払賃金立替払制度の活用を検討するのが通常と思われます。
大阪市中央区の中辻綜合法律事務所は、破産申立代理人、破産管財人、会社顧問、会社役員等民事・刑事を問わず幅広い経験を経た弁護士が担当し、会社破産(法人破産)、個人破産、企業法務を得意とする法律事務所です。